救命事例

NECフィールディング株式会社様「東京都立川市錦町工事現場」での救命事例

NECフィールディング株式会社
ロジスティクス本部 東日本機材サポート部 エキスパート 溝呂木 勤様

毎日の通勤場所にあったAED

2015年11月19日朝9時過ぎころ、東京都立川市錦町にある住友生命ビルの1階玄関で、同ビル内のNECフィールディング株式会社にお勤めの溝呂木勤さんは外の空気を吸いながら一息ついていた。
すると、ビルから斜め向かいの道路工事現場で人が取り囲むように集まっているのが見えた。
最初はマンホールを覗き込んでいるのかと思い、少し観察していたが、明らかに様子がおかしい。
日頃から上級救命(AED業務従事者)を取得したり、ボーイスカウトや東京都福生市交通安全協会で活動している溝呂木さんは、すぐに「これは緊急事態だ」ということに気付いた。
しかし、何度訓練を受けていてもいざその場になると、決断をすることにとても勇気がいったという。
意を決して、同ビル1階に設置してあるスタンド型収納ケースからAEDを取り出し、車道を横切り、必死に現場に駆け付けた。「AED持ってきました!」

住友生命ビルの1階玄関に設置されているAED住友生命ビルの1階玄関に設置されているAED

枯れるほど声を出し続けた

倒れているのは工事現場で作業をしていた60代くらいの男性だった。
現場では、すでに胸骨圧迫が始まっていた。すぐにAEDが必要な状態だと認識し、溝呂木さんは現場にいた方と協力してAEDの準備をした。
パッドを貼り終え、ほどなくして電気ショックが必要とのアナウンスが流れた。
「体から離れて!」と周りに注意を促した後、電気ショックのボタンが押された。そしてすぐに工事現場の方が胸骨圧迫を再開した。隣で溝呂木さんは倒れている方に変化がおきないかをつぶさに観察したり、救助をしている男性の胸骨圧迫の深さやテンポが乱れないように声を出しながらサポートをしたという。
ほどなくして、倒れている男性の口からフゥーっと息が漏れ、目をパチパチと瞬きを始めた。
「助かった・・・!」と溝呂木さんは少しホッとしたものの、まだ予断を許さない状況のため、男性を回復体位にして、まず名前を聞いた。それがはっきりとした返事だったので、そのあとは倒れた方が安心するように、その名前を呼びながら励まし続けた。
それから数分たった頃だろうか。救急車がサイレンをならしてかけつけた。
救急隊員へ状況を説明し、無事に男性は搬送されていった。
一気に体の力が抜け、口の中はカラカラだった。
男性はその日の夕方には状態が回復し、数日で一般病棟に移ったという。

偶然にも、同ビルの2階には、日本光電東京株式会社の西支社が入っており、今回使用したAEDも同支社が設置・管理をしているものだった。
自社で管理しているAEDが救助に役立ったということを、営業員一同で喜んだ。

そなえよ つねに

後日、溝呂木さんは東京消防庁より消防総監感謝状を受けた。
表彰式では、溝呂木さんが10年以上活動を続けている“ボーイスカウト”の制服を着て臨んだ。
ボーイスカウトの標語は「Be prepared(そなえよつねに)」なのだそうだ。意味としては「いつなん時、いかなる場所で、いかなる事が起こった場合でも善処が出来るように、常々準備を怠ることなかれ」ということだ。
まさに今回の救助では、「その場にAEDが設置してあったこと」「溝呂木さんが救命法を身につけており、救助に対する意識が高かったこと」 この2点がピタリとその標語に当てはまり、 見事な救命につながった。
ひとりでも多くの命を救うため、この「そなえよつねに」の気持ちを我々も持って行きたいものだ。

 

※記載されている人物の役職等の情報につきましては、2015年12月時点のものです。

立川消防矢ヶ崎副署長(左)から表彰状を受け取る溝呂木さん(右)立川消防矢ヶ崎副署長(左)から表彰状を受け取る溝呂木さん(右)

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